徒歩旅

Day3 向田(川内)-阿久根 32km

 夜明け前の6時にチェックアウトし、歩き始める。薩摩街道であった道は150メートルほど東の通りだが、ほんの少し進むだけで道はなくなるので、商店街を進む。
25/03/11 06:09:06
 川内川を渡り、国道を逸れて、薩摩街道であった裏道に入る。街道は仙台高校を突っ切るが、その部分だけはう回路の表示があった。
 出発して30分、日の出の時刻なのでもう明るいが、どんよりした天気で日の出は見れそうにない。すき家で朝食をとる。24時間営業の店はありがたい。
 上川内駅の手前で線路を渡る。巨大な京セラの工場があり、その横をずんずん進んでいく。工場の先の住宅街を越えると道は山間に入ってゆく。途中、「梶蔵跡」の案内板があった。紙の原料となるコウゾのことを薩摩では梶といい、この辺りはその梶の産地だったそうだ。
 さらに進むと「西郷どんの手水鉢(ちょうずばち)」が道の脇にある。1846年、当時18歳だった西郷隆盛が藩の役目でこの地に赴任し、3年間滞在したのだそう。その時の朝夕に使ったのがこの手水鉢だったという。
25/03/11 07:45:12
 そのまま進んでいくと車道は行き止まり、いかにも街道だったという感じの古道になる。土の道には腐葉土になりかけの落ち葉が積もり、豆の出来ている足裏にも優しく歩き易い。
 気持ちよく歩いていたが、道が整備されていたのは少しだけ。途中からは、朽ちた竹が放置され、歩き難い道になってしまった。落ち葉に隠れた石も多い。
25/03/11 08:00:12
 森から脱して明るくなったところに、今度は「西郷どんの腰掛石」があった。明治10年(1877年)の西南戦争で薩軍が鹿児島を目指して南下していた際に、西郷隆盛が腰を掛けた庭石だそう。座り易い石だったのでここでしばし休憩。
25/03/11 08:08:08
 車道を横切り、さらに古い街道が続く。急な登りだが、階段状に整備され歩き易い。
25/03/11 08:20:24
 なだらかになってからの方が道が荒れており、ペースが遅くなる。
25/03/11 08:29:58
 山を越えて逆側の谷に出た。人のあまり通らない道を進むとゴミが目立つ場所がままある。
25/03/11 08:31:26
 イボ神様の石像は元禄5年(1692年)と記されている。人に見つからないように夜や早朝に来て神様にお願いするとイボがとれたといわれている。
25/03/11 08:34:48
 ここからしばらくは川沿いの車道を進む。一条神社の前で一休み。すぐ近くには西郷さんの常宿があったそう。
25/03/11 09:52:46
 一条神社からはまた山越え。しかし、古道ではなく車道なのでずんずんと進んでいける。峠は深い切通し。昔の道はもっと高いところを通っていたに違いない。
25/03/11 10:21:52
 下った湯田町の集落内に石塔が集められている。戦国時代に造られた石塔がこの地域に散在しており、それをここに集めたのだそう。
25/03/11 10:46:14
 伊勢美山で再び車道と別れ整備されていない山道となる。車道に出る最後の部分は完全に道跡さえ消えており、逆側から入るには躊躇しそうな道だった。
25/03/11 11:00:08
 山越えが終わり、海にやって来た。東シナ海で外海のはずだが、波は非常に穏やかだ。夏は西方海水浴場として人気の場所だ。地図にはいくつか食事場所があったが、オフシーズンなのか開いている店がない。
25/03/11 11:22:06
 西方は宿場町ではないが、御仮屋と呼ばれる宿泊の出来る屋敷がいくつかあったところだ。食べるところが見つからないまま街は過ぎ、道は海沿いの砂丘上の道に続いていく。ここで道を失い、けもの道をたどって何とか本道に戻る。疲れてしまったので海を見ながら一休み。
25/03/11 11:55:40
 さらに進むと街道は国道3号に合流する。そこにあったカフェも休み。ここから分岐する旧道を歩くとそのまま昼食にありつけず飢える可能性がある。一方、国道を直進すると1.5キロ先に道の駅がある。街道にはこだわらず海沿いの国道を進むことにした。
 すぐに道の駅に到着。地物の魚を使った刺身定食は絶品!
25/03/11 12:54:54
 街道歩きなら道の駅から街道筋に降りるべきではあるが、山越えの街道よりも海際の新しい道の方が歩き易そうで、もうしばらく国道を進むことにした。
25/03/11 13:28:48
 せっかくなので景色のいい場所で何度も休憩をとる。沖に見える島は甑島だ。
25/03/11 13:50:40
 もう一ヶ所街道に戻る分岐があったが、そこも無視し、そのまま北上。阿久根市街が見えるところまでやって来た。今日は阿久根で泊まるか、頑張って出水まで行くか未定で宿を取らずに来ている。午後国道を進んだのは出水まで行くなら時間が足りないからというのもあったのだ。時間的には出水まで行けそうな時間ではある。しかし、足の痛みがひどい。靴下を脱いでチェックすると、右親指の爪が剥がれそう。せっかくここまで急いだというのはあったが、諦めて阿久根にある宿の予約をそこから入れた。
 阿久根市街に入り、鳥越古墳群1号墳を見に行く。きれいな円墳が住宅地のど真ん中に残っており、ちょっとびっくり。石室も保存され、のぞけるようになっている。
25/03/11 16:05:32
 古墳公園の次はスーパーで買い出し。迷いに迷ったが、そうそうチャンスはないのだからと2日連続で鶏のたたきを購入。昨日は地元の焼酎が大々的に売り出していて買いやすかったが、阿久根の焼酎はない。どうせならと唯一県外産だった宮崎県都城の焼酎にしてみた。都城なのにさつまとあるのが謎だが…。
 現在の市中心部を抜け、高松川を渡った北側が、阿久根宿のあった所。阿久根宿の場所も抜け、阿久根駅も素通りした先が本日の宿。周りに商店などがないので先に買い出しをしたのだった。洗濯機があったので、ズボンもここで洗濯。
 風呂にゆっくり入って、足の治療をした後で、ゆっくりと夕食をとる。
25/03/11 20:02:08