Day11 三原-尾道-今津(松永)-芦田川 33km
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地図**
今日こそは丸一日歩くぞと思い、夜明け前に出発する。といってもこの時期、広島県の日の出は7時台である。夜明け前といっても明るくなってのスタートなので7時前の出発だ。
街道沿いにある昔ながらの建物といえば、酒屋や醤油屋などが多い。三原宿でも良い建物だなと思ったのは酒屋だった。
糸崎駅を過ぎてしばらく進むと左手に糸碕神社がある。その境内にあるクスノキは根もとの太さが見事な巨木だ。天然記念物に指定された昭和37年の推定で樹齢500年というから、現在の推定樹齢は550年?。樹高30メートル、胸高幹囲13メートルということだが、これも50数年前のデータらしい。環境庁が平成元年に行った第4回自然環境保全基礎調査、巨樹・巨木林調査でも幹周13メートルということだが、測り直したものではない。この時の調査では全国でベスト50に入る幹周の巨木となっている。
糸崎の辺りからの道は海沿いの部分が多く、瀬戸内の島々が良く見える。しまなみ海道の橋も遠くに見えていた。
今年は家で家庭菜園を色々やっているので、歩いていると菜園も気になる。この辺りは特に手をかけている畑が多く、参考にしようといくつか写真も撮ってみた。
尾道が近くなると海沿いから道が離れ、アップダウンが多くなる。公道とは思えないような場所もあり、事前に調べず旧道を歩くのは至難の業だ。調べてあっても地図を見ず、道なりに歩くと旧道から逸れてしまうほど、道は分かり難い。
美しいと思う建物は尾道宿でも酒屋だ。
駅を過ぎて線路を渡ると、旧道はアーケードの商店街となっている。古い建物がぽつぽつとあるが、店を閉めてしまった場所も多い寂れた商店街だ。商店街の一角に、1923年(大正12年)に建てられた商工会議所が残っており、現在は尾道商業会議所記念館として公開されている。
尾道は中世から発展した港町であり、近世から明治期には日本有数の商業都市だったという。住友銀行や広島銀行は尾道が発祥の地で、この尾道商業会議所で育ったそうだ。
アーケード街を抜けJRを越えたところでまた道を間違えてしまった。いつもは雰囲気的でこっちだと進んでもそう間違わないが、この辺りは難しい。間違えた分岐に戻るよりも街道沿いに並ぶ寺社巡りの間道が面白そうだったので、そちらを進んだ。
西郷寺の七福神。
西郷寺から坂を下って、再び旧山陽道を進む。峠を越し、自動車道を越えたところで見覚えある場所にやってきた。2年前の春、横浜から島根に引っ越す時に車で休んだ場所だ。
松永と呼ばれている場所が、江戸時代に今津宿だった場所だ。古い家屋は少なく、脇本陣跡には石柱が設置してあるのみ。本陣は建物こそないが、表門,塀などが昔の姿をとどめている。
この辺りは写真のような石が点在していて、街道であったことがよく分かる。
芦田川に出た頃に日は暮れた。しばらく進むも暗くなってしまったので、本日はここまで。冬至が近いと日が短いので、夜明けから日没まで歩いたが距離はあまり伸びない。でも久しぶりにちゃんと一日歩けて、満足な一日となった。
本日の距離 33km
山陽道の合計距離 291km