徒歩旅

Day9 洗馬宿-本山宿-贄川宿-奈良井宿-鳥居峠-藪原宿-宮ノ越宿-道の駅日義木曽駒 35km

 5時前に歩き始める。洗馬(せば)宿から本山宿へは塩名田宿から八幡宿に次ぐ3.3キロの短さ。途中に坂もなく、中山道では一番早く歩けそうな区間で、あっという間に本山宿の入り口に着く。ここはそば切りの発祥の地だそう。それまではそばは蕎麦掻として食べていたとか。そばでも食べたかったが、5時台では空いている店ない。ここは明治2年に大火があり、江戸期の建物は見当たらないが、明治初期の建物がいくつかある。写真はその一つ池田屋と左が若松屋。
15/07/07 05:27:22
 この辺りは国道19号に合流することもあるが、交通量の少ない旧道が基本的には残っており、歩きやすい。写真は、本山宿から2キロほど進んだ場所にある有名な「これより南 木曽路」の碑。ここは国道沿いなので以前にも来たことがある。木曽は信濃の国ではあるが、江戸時代は尾張藩に属しており、この場所がその境界になっていた場所である。この石碑は昭和15年建立。
15/07/07 06:31:22
 木曽路に入ると中山道は車道ではない場所が増えてくる。看板はしっかりしており、歩くのが楽しい区間だ。
15/07/07 07:11:40
 車道から離れると昔ながらの炭焼き小屋がぽつんと残っていたりし、趣きがある。
15/07/07 07:17:22
 贄川(にえかわ)宿到着は7時半。ここから続く11宿は、木曽十一宿は中山道の中でも特に険しい山道が続く木曽路である。険しい山中が故に伝統文化も残っており、中山道歩きのハイライトというべき地域である。写真は木曽路最北にある贄川関所を再現したもの。江戸時代の木曽路は材木の一大産地であり、その独占は尾張藩にとっては重要な財源となっていたので、木材の移動には特に目を光らせていたという。
15/07/07 07:32:48
 下の深沢家住宅は1851年建造の商家で、国の重要文化財となっている。早朝の本山宿でもそうだったが、住民の軽自動車が観光名所の前に停めてあるのが、絵的に残念ではある。
15/07/07 07:38:30
 贄川宿を出てしばらくすると、左手に巨木がある。推定樹齢1000年とされるトチの木だ。写真では分かり難いが、遠目にも神々しさが感じられる巨木で、見る者を圧倒する。根元の周囲が10メートルもあり、間近で見るとさらに圧倒される。
15/07/07 07:44:38
 妻籠宿と並んで観光客に人気なのが奈良井宿である。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された町並みは伝統家屋ばかりで、江戸時代の宿場町が目に浮かぶような見事さだ。宿の中に何か所も水場があるのは歩きの旅人にはありがたい。
15/07/07 11:07:34
 しかし、ここにも地元民の軽自動車が何台もあり、写真には苦労した。パンフレットや観光ポスターには軽自動車なんて映ってないのに・・・。
15/07/07 11:08:30
 奈良井宿を出るとすぐに鳥居峠への道が始まる。一部車道と合流する部分もあるが、基本的には森林の中の歩道。雨も上がって気持ちの良い上り坂が続く。
15/07/07 11:27:26
 峠を少し越えたところにある御嶽神社の鳥居、これがこの峠の名前の由来となった鳥居である。木曽義元の寄進だそう。
15/07/07 12:20:04
 鳥居峠から下って最初の宿が、藪原宿である。奈良井とは打って変わって観光客の姿はなく、観光客目当ての店も目立たないが、ここにも古い建物がたくさん残っている。江戸期から続く藪原の名産品がお六櫛。峠に近い山あいの藪原宿には農業のできる平地がほとんどなく、多くの住民が櫛作りに励んでいたという。写真は今も続くお六櫛商店の篠原屋。
15/07/07 12:59:48
 藪原宿を出てすぐにある蒸気機関車、その脇に藪原一里塚跡の碑がありました。
15/07/07 13:10:14
 見どころが多いのと雨で雨宿りをしていた時間もあったりで、時間の割に距離は稼いでいないが、今日のスタートは5時前である。午後3時を過ぎたころから疲れが出て、ペースが落ちた。メモには藪原宮ノ越7.5キロとあるのに、宮ノ越3.5キロ、薮原5.2キロの看板があり、さらに疲れが出た。きれいな川べりに休み小屋があり、休み始めたら、ついうとうと。謡曲巴(ともえ)の舞台となる巴淵という場所で、休み小屋からの淵は本当にきれいだった。
15/07/07 15:46:12
 宮ノ越宿到着が16時半。時間的には今日の目標だった木曽福島まで行けそうだが、うーん。宮ノ越宿は木曽十一宿の中では珍しく宿場の面影の少ないところだ。写真は元旅籠の田中屋で無料休憩所となっている。
15/07/07 16:26:46
 宮ノ越宿から30分ほど歩いたところに、中山道中間点の看板。江戸、京の双方から67里28町(約266キロ)の地点だという。あと半分! 看板では味気ないので写真はすぐそばにあった水神の碑。
15/07/07 17:06:04
中間点から中山道を離れ、道の駅日義木曽駒へ。本日の歩きはここで終了。道の駅で色々調べ、一番近い温泉ということで木曽駒天神温泉へ。疲れた体に温泉は最高!!! 宿のおやじさんやその友人たちと仲良くなり、松坂牛のスキ焼をごちそうになったうえに夜遅くまでカラオケ~。
本日の距離 35km
中山道の合計距離 254 + 35 = 289km