徒歩旅

Day8 宍道駅-宍道宿-松江宿-出雲郷宿-安来宿-安来駅 42㎞

**地図**
 先日歩き終えたJR宍道駅に8時10分頃到着する。駅に人が多く、改札前では神楽の衣装を着た人が待ち構えている。何があるのだろうと思ったら瑞風が到着するようだ。臨時のツアー用豪華寝台列車である瑞風が山陰本線を不定期で走っているのは知っていたが、地元の人がこんなに歓迎するものだとはびっくりだ。
19/03/28 08:17:24
 大歓迎ぶりを見たいかなと思ったが、瑞風到着を待たずに歩き始める。前回の到着が夕方薄暗い時間だったので、今日なら明るい写真が撮れると期待していた宍道宿だが、真っ暗な空から、ぽつぽつと雨が降ってきた。
19/03/28 08:19:16
 宿場の旧道を抜けて国道9号に合流する派手な出雲そば屋がある。外観は博物館で、本当にそば屋かなという感じ。玩具博物館併設のそば屋と知られているが、外からは骨董品屋に見える。後でウェブサイトを見ると先代の趣味が骨董品収集で、今のご主人の趣味が玩具収集のよう。車で何度か通っている場所なので、機会があれば入ってみたい。
19/03/28 08:26:46
 しばらく宍道湖沿いの国道を進む。残念ながら天気のせいで暗く感じる場所。雨の中でも漁師さんは船を出している。
19/03/28 08:27:50
 湖畔に続く国道から左折、線路を渡ってすぐに瑞風がやってきた。ちょうど建物が邪魔になる場所で写真は撮らなかったが、朝の光景を思い出し、停車時間が気になった。こんなに短ければ、乗客は歓迎する人々のいる駅前しかいられないのではないかと思ったのだ。旧道が車道を外れ、のんびり歩ける場所になったので、歩きスマホで瑞風のスケジュールを調べる。今回は2泊3日のツアーで、今日は宍道から松江まで一日バスツアーのようだ。
19/03/28 08:52:14
 小さな峠を越えると、見通しの良い田園地帯となる。しばらくすると先ほど松江方面に向かった瑞風が戻ってきた。山陰本線は単線なので定期列車の邪魔にならぬよう行ったり来たりしているのだろうか。
19/03/28 09:13:18
 来待を過ぎて、再び湖岸を走る国道9号に合流する。しばらく進むと本日最初のコンビニだ。雨は止んだが外では休みにくいので、コンビニに入ってイートインでひと休み。玉造温泉への分岐で国道から離れ、再び内陸部の旧道となる。温泉地は旧道より2キロほど南に入った場所なので、ここは素通り。
 松江農林高校の辺りから古い松江の街並みが始まる。ところどころに古い石垣があったり、祠があったりする。
19/03/28 12:18:44
 松江の街並みといっても城下町松江は街道から北に入ったところにある。宍道湖と中海(なかのうみ)を繋ぐ水路より北側が城下町である松江だが、旧山陰道は水路の橋を越えることはない。
19/03/28 13:11:38
 山陰道を歩く人は皆さん街道筋から離れ、松江の中心部に立ち寄っているようだ。私は来たことがあるし、立ち寄るなら車の時が良いので、昼食をとっただけで先に進む。とはいえ、島根に引っ越してきて丸4年、何度も素通りしているだけで、県庁所在地なのにまだ一度も立ち寄っていない。
 松江の街を抜けると、先ほどの水路が宍道湖と中海を結ぶ流路のメインである大橋川に合流する。島の写真を取ろうとして、カメラのバッテリーがあまりないのに気付いた。カメラでGPSのログをとっているので、写真の枚数が少なくてもバッテリーは一日持たない。替えバッテリーに交換し事なきを得る。
19/03/28 14:02:48
 中の海に出る前に歩道橋でJR線を渡り、再び内陸部に入る。この辺りから南に2キロほど入ると出雲国府跡がある。律令国家時代の出雲国の中心はこの辺りだったのだ。さらに進み、阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)の鳥居のある辺りからが出雲郷宿である。出雲郷は「あだかえ」と読むらしい。さすがにこれは知らないと読めない! この辺りは松江の歩いた辺りよりも趣のある建物が多い。揖屋神社は出雲大社を思い出すようなしめ縄やご神木があり、鏡が祭られていたりして、非常に興味深い。
19/03/28 15:44:34
 出雲郷宿を過ぎ、小さな峠を越えると中海が見えた。中海は宍道湖よりも大きく、日本第5位の面積を持つ湖だ。
19/03/28 16:10:04
 中海から一本内陸側の旧街道を進んでいくと、大きな木と囲いが見え、一里塚かなと思ったら、日本横綱力士陣幕久五郎通高碑があった。陣幕は第12代横綱で、唯一の島根県出身の横綱であった。幕内の通算勝率は9割4分6厘で、雷電、谷風、常陸山に次ぐ、史上4位の強豪力士だったそう。
19/03/28 16:29:18
 荒島にある月形神社に立ち寄る。後ろの丘が古墳に見え、古墳を利用した場所かなと思いながら見るも、そのような案内記述はなし。荒島には古墳がたくさんあることで有名なのでどこか立ち寄ろうと思っていたが、夕暮れが近づいてきて大きな寄り道は難しい。
19/03/28 17:02:46
 荒島は、町の中央で直角に曲がる桝形があり、その前後に趣のある旧家が並んでいる。城下町などでは一般的な桝形だが、宿場でもない荒島にあるのはどういう理由なのだろう。
19/03/28 17:04:02
 ここまで桜はほとんどつぼみだけで咲いていなかったのに、満開の桜があった。花を見る限り普通のソメイヨシノなのだが、なぜこの木だけ早いのか。
19/03/28 17:28:54
 18過ぎ、本日の終着地安来(やすぎ)に近づいてきた。ひょっとこの面をかぶったどじょうすくいで有名な安来節の故郷だ。モニュメントは何ヶ所にもあるし、下水の蓋にもどじょうすくいが描かれている。
19/03/28 18:12:44
 安来宿には趣のある建物が並んでいる。写真の原本家住宅は一番古い主屋は明治17年落成、書院は明治41年落成だそう。
19/03/28 18:22:58
 18時半に安来駅到着。今日も列車は遅れている。
19/03/28 18:32:14