徒歩旅

Day11 小坂井駅-御油宿-赤坂宿(-豊橋) 9.3km

 始発電車で出発して夕刻までは徒歩旅、夜は友人の招待してくれた花火大会というのが元の計画だったが、前回の熱中症による後遺症である足のむくみ症状が治っていない。歩くかどうかの決心がつかぬまま、始発に合わせて起きた。しかし、今日は無理するのを止めようという気分に成り、家を出たのは予定よりも5時間遅くなった。花火には早すぎるが、前回夜でちゃんと見ていない豊橋の吉田宿を歩けば良いと考えたのだ。ところが移動中に友人から電話があり、集合場所が会場ではなく駅に変わった。街を見ていったん戻るなら少し歩いて様子を見ようという気になり、前回の続きを2時間ほど歩くことにする。
 下車駅は前回靴が履けなくなった場所のすぐ近くである小坂井駅。出発時間は15時で、すでに日は傾き、さほど暑くはない。すぐに前回座り込んでいた場所に着いて体調への不安が増し、今日はゆっくり歩こうと決めた。
 歩き出してすぐの辺りが、伊那立場。茶屋跡や常夜燈、格子の美しい家屋がぽつぽつとある。
 1時間ほど歩き、名鉄の線路を越えた辺りで、両足先がしびれてきた。先日と同じ症状の始まりだ。ここで中止しようかなと考えたが、体は元気だし、今日は涼しく、日差しにもさほど当たっていない。幸いここからは鉄道駅が短い間隔であるので、これ以上酷くなったら止めると決めて再び歩き出す。
 奈良時代から平安時代における令制国の国庁が置かれた街が国府であり、三河の国府であったのが御油宿手前の国府である。国府は「こくふ」あるいは「こう」と読み、ここでは「こう」に近いようだが、ローマ字表記は KO だった。漢字2文字でひらがな1文字? この町は江戸期は既に宿場ともならず、立場に過ぎなかったようだが、ここにも常夜燈、格子の美しい家屋がいくつもあった。
国府格子家屋
 国府を過ぎると御油(ごゆ)宿に入る。ここにも格子の美しい家屋が立ち並び、高札場跡や本陣跡などがある。本陣跡の向かいには18世紀創業のイチビキ株式会社の工場や倉庫があり、その古い土蔵風の建物が美しい。
御油宿イチビキ株式会社
 御油宿と赤坂宿の距離は2キロもなく、東海道の宿場間で一番短い距離となっている。その間には松並木が残っており、御油の松並木として天然記念物に指定され、「日本の名松百選」にも選ばれている。
御油の松並木
 2時間あれば赤坂宿までは余裕と思っていたが、意識的にゆっくりと歩いたために、思ったよりも時間がかかり、最後は急ぎ足になってしまった。宿の中心部にある高札場跡で旧道を離れ、名鉄の駅へ。なんとか足は大丈夫だった。しびれは足先より広がりそうにはなく、大丈夫かなという気に少し成れた。
赤坂宿高札場
 18時に友人と豊橋駅で待ち合わせ。江戸期には日本三大花火の一つとして名を馳せた伝統の花火大会を座敷席で堪能した。昨年に諏訪で見た花火に続いて有名な花火を見学でき大満足、機会があればまた他の花火大会も見に行きたい。
豊橋花火大会

本日の距離 9.3km+2.8km
合計の距離 350.1km + 9.3km = 359.4km
本日の出費 交通費2940円+食費3135円=6075円

*前回熱中症で倒れたため、今日は試し歩きで短距離のみ。大丈夫そうだが不安は残る。この時点で翌日以降の徒歩旅は決心がつかず未定だった。
*いつもは東海道から離れて歩く距離も参入しているが、今回の花火のために歩いた2.8kmは東海道を歩く旅に関係ないので歩く距離には加算していない。
*花火の時のつまみや酒代は、花火がなくとも歩いた後として飲み食いしたはずだから加算。