徒歩旅

Day3 今庄-鯖波-武生-鯖江-水落-浅水-福井 38㎞

**地図**
 部屋でカップ麺の朝食を取り、6時15分に出発。今朝は冷え込んでおり、風も強い。歩きだしても体が温まらず、初めて長袖のシャツを着た。1キロほど昨日の道を歩いて今庄宿の端に戻った。人通りはなく、本当に寒い。
20/10/15 06:29:38
 少し進むと旧道は車道から離れ、未舗装の道となる。
20/10/15 06:42:30
 湯尾峠への道はグーグルマップにはなく、地形図には破線で示されている。しかし、地形図の破線は街道としてはありえないほどの急な斜面を登っており、おかしい。実際歩いてみると旧道は斜面をかなり巻いており、全く地図にない道だった。それでも急登で朝の準備運動不足の足にはこたえる。とはいえ表高200mしかない峠なので、約15分で無事に到着。
20/10/15 06:57:54
 北陸道は松尾芭蕉が歩いた道で、峠には芭蕉がここで詠んだ俳句の碑がある。
20/10/15 06:59:44
 木々が生い茂り展望はさほどない峠だが、湯尾の街はよく見える。
20/10/15 07:00:02
 山道を下り終え、車道に出たところで、少し失敗。手元の地図では直進の道がなく、新しい地図にある道を進んだが、正しい街道はどう見ても直進だった。国道365号と何度か合流しながら湯尾の街を通り抜ける。鯖波宿寸前で旧道は鉄道で少し途切れるが、その部分に鯖波トンネルというトンネルができていた。
20/10/15 08:13:14
 鯖波宿は北側に設けられた鶯の関と呼ばれる関所で足止めされる旅人で賑わった宿場だ。
20/10/15 08:27:00
 北陸新幹線の工事が進んでいる。金沢から敦賀までがあと2年と数ヶ月で開業する予定だ。ここも在来線が第3セクター化してしまう。地元民はかなり不便になるのになぜ新幹線が欲しいのか理解できない。特にこの辺りにできるはずの駅は、在来線の駅からは遠いところに作られる。なぜそんな不便になることをするのだろう。せめて在来線と交差する部分に駅を作れば良いのに・・・
20/10/15 09:29:20
 南条駅から先の旧道はずっとのんびりした田舎道が続いている。今宿、松森の街を過ぎると府中宿となる。その地名から分かる通り、律令時代からの国府があった場所。つまり、越前国の中心だった場所だ。明治以降は長らく武生という名称で、現在も鉄道駅名などは武生である。2005年に武生市と今立町が合併する際に、越前市と改名し、今は越前市。すでに越前町や南越前町があるのに何故こんなわがままな改名をしてしまったのだろう。武生の方が伝統的な名前で格好いいのに。私の頭の中ではここは武生のままなのと越前だと越前国と紛らわしいので、地名としては武生、宿場町としては府中宿と書くことにする。
 府中宿の入り口に建てられているのが、題目塔。この題目塔は、天保の大飢饉による死者の供養と地域の平安を祈念するため天保15年(1845年)に建立されたもの。
20/10/15 10:44:04
 武生は越前打刃物で有名で、中心部には越前打刃物が並んでいる。越前打刃物は、1337年に京都の刀匠が府中で始めたと伝えられており、700年の歴史を誇る伝統工芸品として知られている。
20/10/15 10:55:46
 府中宿の中心部で街道筋が曲がっている辺りで、路地奥に蔵の並んでいる場所があり、入ってみる。ここは江戸時代に関西から北陸方面への物資の中継基地として栄えており、それぞれ商人たちの蔵が並んでいた場所だ。現在は市街地活性化の一環として整備され、蔵を利用したおしゃれな飲食店が集まる新名所として生まれかわっている。
20/10/15 11:04:54
 日野川を渡ると鯖江市に入る。鯖江は福井と武生の間にあり、メガネフレームの国内シェア96%をほこるメガネフレームの街だ。元は、鎌倉時代に誠照寺の門前町として発展し、江戸時代には鯖江藩5万石の鯖江陣屋を中心とした陣屋町となっていた。
 橋を渡り終えたところに白鬼女観世音菩薩があり、ベンチで一休み。昼食を取るなら鯖江になるので、GoToトラベルのクーポンを使える店を休みながらチェックする。昨日も見て分かっていたが、街道から離れないとクーポンで食事できる場所がない。街道沿いなら肉屋で惣菜を買うくらいしかできないが、1000円クーポンなので、惣菜だけでは食べ切れない。既に買ってあるパンがあるので、パンを食べて、先に進むことにする。
20/10/15 12:12:54
 鯖江の中心部にあった鯖江藩陣屋跡を整備した公園でも休息し、残りのパンを食べる。これで昼食はパスになりそう。
20/10/15 12:58:08
 元々門前町として発展したためか、寺が多い街だ。その大本と言える誠照寺の前には大型バスの駐車場まである。
20/10/15 13:01:32
 寺に連なる蔵は非常に立派で、寺院の力が強かったことが伺えた。
20/10/15 13:02:20
 鯖江宿の北側まだ市内ですぐの水落も宿場町だ。碑が建っているくらいだが、宿駅として馬10匹が備えられたとある。
20/10/15 13:38:02
 街道左側の丘の上に立派な茅葺き民家が見える。かっこいい家だなあと思ったら、旧瓜生家住宅という案内板がある。これが福井県で一番古い民家で、元禄年間に建てられたものだそう。現在は国の指定文化財になっており、公開されているが、休館日が週に3日もあり、本日は休館となっていた。
20/10/15 13:50:14
 すぐその先には5世紀の円墳である兜山古墳がある。地形が分からなくなるまでの大木に覆われた古墳全体が八幡神社となっていたが、木を全部切り倒してしまい、何やら工事をしていた。
20/10/15 13:55:10
 福井市に入ってすぐに浅水(あそうず)宿がある。宿場の手前には「あさむつ橋」があった。清少納言が枕草子で「橋は朝むつの橋」と記したくらい平安時代には有名だった橋も、今はなんの変哲もない小さな橋だ。本陣跡の碑をこの宿の写真にしたほど絵にならない橋。
20/10/15 15:03:00
 ゴールの福井市中心部まであと4キロのところに大きなショッピングモールがある。このショッピングモールでGoToトラベルのクーポンが使えるので入ってみる。ここのスーパーで弁当などを買うか、宿の近くのコンビニで使うかを迷っていたが、以前入って美味しかった寿司チェーンの店をここで発見。昼食が非常用に残していたパンでお腹も空いていたので、早いがここで夕食を取ることにする。カップ麺とパンが続いていたので、寿司が美味かった~。注文をしたらカウンターで握ってくれる店なんて何年ぶり?
20/10/15 16:56:52
 寿司屋でゆっくりしたので到着は暗くなってしまったが、本日も無事に到着。
20/10/15 17:40:34
本日の距離 38km
北陸道の合計距離 108km