徒歩旅

Day14 湯村温泉-春来峠-村岡宿-八木谷峠-八鹿 45㎞

**地図**
 朝5時10分に出発。すでに明るくなっており、もっと早く出ても良かったな。
19/04/23 05:13:06
 唐から帰国した慈覚大師が京に帰る途中で湯村温泉を発見したと伝えられており、その旅姿の慈覚大師をモデルにした湯時計が有名なのだが、夜間は湯の流れを止めていたようで、動いていない。
19/04/23 05:13:34
 昔ながらの温泉街を抜けた先にローソンがある。出発したばかりだが、この先の峠を越えて下るまで食料が手に入らないので、そのローソンで朝食をとる。その先しばらくは集落内の小道を歩いたり、国道に合流したりの繰り返し。
 6時半頃、春来(はるき)峠への分岐を見つけた。事前に用意していたルートでは分岐がもう少し先だが、その道はどう見ても新しい道。昨夜寝る前に古い地図を見て見つけた分岐がここなのだ。通った人の記録が見つからず、行けない可能性もあるが、おもしろそうな道なので、この廃道に入っていく。春来川に架かる橋は古いコンクリート製。明治時代の地図にある国道なのでしっかりした橋を作っていたようだ。
19/04/23 06:43:24
 橋のすぐ先までは航空写真に畑が写っていたので道があって当然。その先、畑に行く道と旧道の分岐はすぐに分かったが、一目で最近誰も入っていないことの分かる道で、少し躊躇した。
19/04/23 06:45:44
 そしてその先沢を渡ったところで道は崩れていた。古い水路の上なら進めたので、水路に沿って歩くが、だんだん古い道と離れてしまった。写真の場所を直登すべきだったようだ。仕方なく、明らかに道でない崖をよじ登ると何とか昔の道らしき場所に出た。
19/04/23 06:47:48
 そのまま進んでいくと石畳や道の橋を固めた石組みが表れる。昔の道に間違いなさそう。
19/04/23 06:56:08
 竹が倒れて進むのが難しい場所もあるが、道ははっきりしていた。
19/04/23 07:04:50
 40分かかって廃道を抜け、車道に出る。その先は春来の集落だ。何故こんな峠近くに集落があるのだろうと思うが、意外になだらかな高原地帯で、住みやすそうなところだ。集落の一番上の家にいかにも昭和の看板をたくさんつけた建物があった。昔の商店かと最初は思ったが、良く見ると住人が趣味人で集めているように見える。
19/04/23 07:33:30
 歌にもなった春来峠は観光パンフレットに乗っているのに、看板さえなく、下りになって拍子抜け。昔の道は今の車道よりも低い谷底を下っていたようで、一部は今も通れそうだが、途中で道が切れており、車道まで上りなおさねばならないようで、ここは素直に車道を下る。見晴らしの良い場所まで来ると前方に巨大建築物がある。思わず立ち止まってスマホで調べると世界最大級の大仏である但馬大仏で有名な長楽寺だ。兵庫県で生まれ育ったのに知らなかったぞと思ったら、大仏は平成6年開眼とのこと。私が兵庫県から離れた後に出来て有名になったのだろう。下を走る国道は最近車で何度か通っているが気が付かなかった。
19/04/23 08:14:38
 下りきって国道482号線に出たところコンビニ。まだ朝9時だが、一度目の食事から3時間半立っているので、ここでまた軽く食べる。川を渡った和田集落とそれに続く入江集落は、土壁の建物や木造建物が並ぶ趣きある集落だ。
 村岡トンネルの手前で左の旧道に入るが、立ち入り禁止の看板がある。ダム湖沿いの道となるのでうるさいのだろうか。
19/04/23 09:34:18
 がけ崩れが危ないから立ち入り禁止とあった割には歩きやすい道である。立ち入り禁止の看板の先なのに、釣禁止だの湖に入るななどの看板が多々ある。
19/04/23 09:40:12
 クマに注意の看板もこれまでに見たのと違ってクマの絵がリアルで、怖い。
19/04/23 09:51:26
 崩れかけたような場所もなく通り抜けられたと思ったら、出口付近は土が盛ってあり、その上が草ぼうぼうで、進めなくなっている。がけが崩れた風でもなくおかしいなと思いながら、ふみ後に沿って斜面を登り、国道に出る。すぐ先の元分岐の先の旧道上に変電設備がある。このために通れなくなり、通行止めになったようだ。こちらから来ていたら、さすがに私も入らなかっただろう。
19/04/23 09:59:36
 村岡温泉が見えてきた。国道は村岡温泉を通っているが、旧道は村岡温泉の対岸を進む。そして国道を交叉し、村岡の中心部を通る。2005年に合併で消滅した村岡町はハチ北高原スキー場で兵庫県南部の住民には知られた町だった。そんな町の中心だったが、今は寂れてしまっており、写真も撮らずに通り過ぎてしまう。
 村岡の先の大糠集落では国道と旧道の間に道の駅があり、立ち寄るつもりだったが、旧道側からの入口がなく、断念。
 旧道は各集落で国道から離れ、集落の先で国道に合流するように進む。日影集落から国道に出る前に地図にない次の黒田集落に続きそうな道を発見、進んでみる。
19/04/23 12:25:20
 途中の沢はいかにも旧道ぽい石の階段だ。
19/04/23 12:27:52
 お地蔵さんの脇にここが昔の街道であることが書かれていた。地図にない旧道を見つけた気分で、ちょっとうれしくなる。
19/04/23 12:33:40
 その先は畦道のようになり、どこが旧道か分からなくなるが、そのまま進む。
19/04/23 12:39:32
 ハチ北高原への分岐にある道の駅でひと休み。この先、国道は但馬トンネルに続く新しい道で、旧道は八井谷峠へと向かっていく。写真左が但馬トンネル入口、その右側に見える白い部分は新しい道だ。大きな砂防ダムができており、旧道は分断されている。その代わりに作られたのが新しい白い道なのだ。
19/04/23 13:37:12
 しばらく直登し、旧道に再合流する。ずっと歩きやすい道で、車の跡もあるので車が越えられる峠かと思ったが、峠手前で林道が分岐し、その先は整備されていない。道の真ん中に木があり、これでは車は無理だ。
19/04/23 13:51:20
 トンネル出口付近で国道に合流。すぐその先で旧道に分岐する道があるはずだったが、気付かずに通り過ぎた。国道がループ橋になっているところで、強引に旧道に入る。旧道からしか見えない八木谷はきれいな渓谷だ。
19/04/23 14:43:02
 八木谷川と八木川が合流するところにある町が関宮町。平成の大合併でここも消滅し、養父市となっている。関宮の街道沿いにこの地区唯一の旅館があり、ここに泊まろうかと最初は思っていたが、見たところもうやってなさそうである。とここまで書いて、ネットで調べたら、グーグルの口コミに2日前の書き込みがある。やっていたのか・・・。
19/04/23 15:09:02
 八木集落は古い街並みが残るとして紹介されているのを事前に見ていたのだが、期待したほどの趣はなかった。期待が大きくなりすぎていたのだろう。集落が途切れた場所から見えるお地蔵さんの並ぶ風景の方が個人的には気に入っている。
19/04/23 17:14:52
 ただ集落内にはずっと水路があり、その水を汲んで家庭菜園の水やりに使っている様子などは、良い感じ。
19/04/23 17:14:58
 建物は高柳集落の方が立派で絵になるものが多かった。
19/04/23 17:24:26
 正面に見えるのが今夜の宿。実は旧道上を横切るように立っている。
19/04/23 17:40:32
 今日もチェックインすると宿から出る元気はなさそうなので、ここで道から逸れ、近くのコンビニとスーパーに寄る。スーパーでは明日が賞味期限の弁当や刺身に半額シールが張っており、安いなと見ていたら蛍の光が流れ出した。18時閉店なのだ。今日中に売りたかったからなら買ってあげようと思い、寿司を2人前と刺身に酎ハイまで購入する。
 18時にホテルにチェックインし、すぐに今日も大浴場で一人のんびり。食って飲んだら今日も日記は書けずに寝てしまう。