Day18 武佐宿-守山宿-草津宿 20km
中山道の最終日。前夜に浸かった温泉のおかげで足の痛みも少なく、気持ちの良い朝となる。前日に歩き終えていた場所は明治時代の実業家伊庭貞剛(いばていごう)の屋敷のあった場所で、今は家屋なく公園となっているが、巨大な楠が往時を偲ばせている。
30分ほど歩いただけで、膝に強い痛みが走り、後は昨日同様スローな歩きとなるが、ゴールが間近なので気分は良い。道は何度も分岐点があり、国道8号線上であったり、裏道であったりで分かり難い。この辺りは案内板もなく、地図がなければどこが中山道なのか全く分からない状態である。滋賀県文化振興事業団のウェブサイトに
近江歴史回廊というページがあり、その中に詳しい地図があったので、もっぱらこの地図を頼りに歩く。日野川を渡る旧道には橋がなく、大きく国道まで迂回することになる。すでに足が痛かったので国道を進んでしまおうかとも思ったが、今日で最後だからと旧道をできるだけ忠実に進んだ。
武佐宿と守山宿の間に鏡の宿がある。正式な宿場ではなく間の宿なので、正規な宿はなかったはずだが、写真は江戸時代に旅籠京屋があった場所ということだ。江戸以前、この街道が東山道と呼ばれた時代には駅(=江戸期の宿場のようなもの)だったために例外が認められていたのだろうか?
源義経が元服をした地として鏡の宿はより知られている。写真は元服の折参拝したといわれる鏡神社。近くには元服した場所と伝わる元服池も残っている。
鏡神社のすぐ近くに道の駅があり、そこで朝食をとり、休憩。休むと膝の痛みは和らいでくる。
さらに国道と別れたり合流したりしつつ1時間ほど進むと桜生(さくらばさま)史跡公園に着く。公園の中には国史跡の天王山古墳、円山古墳、甲山古墳がある。調子が良ければ全部見ておきたかったが、無理はせず、ガイダンス施設(ミニ博物館)と石室を公開している甲山古墳のみの見学。今まで色んな古墳を見に行ったが、石室まで入れる古墳はそう多くない。
桜生史跡公園の少し前からずっと裏道で、新幹線のガードをくぐると野洲市の中心部にやって来た。周りは結構都会なのに茅葺の立派な家が残っている。暁酒造という酒屋さんだ。
昼過ぎに野洲川の土手までやって来た。残るは7キロほど。ゆっくり歩いても残りは2時間。フライングだがここでゴールを祝し、昼食ついでにワインを飲む。草津でゴールしたらそのまま車で私の実家に向かうことになっている。運転を途中で交代することを考えるとゴール時点で乾杯する訳にはいかないのだ。乾杯して1時間休んで2時間歩き、先に2時間運転してもらい、1時間夕食を取れば6時間空く、このタイミングなら飲んでもOK?
2時前に再出発。橋を渡ってしばらく歩くと守山宿だ。黒漆喰の美しい建物がいくつか並んでいる。写真の守山市歴史文化まちづくり館・町家「うの家」や中山道歴史文化交流館などが旅人の休み処となっていたが、気持ちはゴールに向かっているので素通り。
15時20分、いよいよ草津駅前の商店街。ここを抜けると東海道との合流点草津追分で、今回のゴールだ。
15時25分、ゴール。最後は足を痛め苦しかったが、中山道は本当に楽しかった。これまで歩いた東海道、日光街道、奥州街道と比べ、中山道は断トツで見どころが多いと思われる。案内板も最も整備され、歩いていて楽しい。どこか一つだけ歩いてみようという人なら中山道がお勧め。ただし、最もきついし、ここを先に歩くと他が面白くないかもしれないので、最初に歩くのはどこが良いと聞かれれば東海道かな。
前回も休んだ無料休憩所である草津市まちなか交流施設くさつ夢本陣で妻を待つ。ただしここの管理人の感じが前回すごく悪かったので中には入らず、外のベンチで。
本日の距離 20km
中山道の合計距離 524 + 20 = 544km