徒歩旅

Day14 御嵩宿-伏見宿-太田宿-鵜沼宿-細畑駅 35km

 中山道歩き再開。今回は妻が車で伴走してくれることになった。車中泊予定のため、宿泊地の心配などせずに歩けるのが一番ありがたい。また、荷物もほぼ持たずに歩けるのでこれもうれしいところ。今までなら街道沿いでの食事場所も事前チェックしていたが、車の伴走があればその必要もない。気分的にはかなり気楽に歩くことができる。
 前日午後に家を出発した。夕食は鳥取でおにぎりを食べたのみ。そこで運転を妻に代わり、疲れたところで泊まろうということで出発した。兵庫県内でうとうとした私だったが、気が付いたら福井県を走行中。次に気が付いたら滋賀県だった。こうなったら出発地まで行っておいた方が都合良いので、妻が寝ると言ったところで交代するつもりだったが、そのまま、前回歩き終えた御嶽駅に到着。着いたのは朝の5時前だった。明るかったらそのまま歩く気だったが、まだ真っ暗。夕食用に買っていた食料もあったので、食事をして仮眠をとる。
 7時半頃に目覚め、寝ている妻を残し、7時40分に歩き始めた。通勤、通学の人々の多い駅前を出発し、しばらくは住宅街が続く。国道に合流しすぐにあったのが、鬼の首塚。鎌倉時代、鬼石の岩窟に住んだ関の太郎と呼ばれる狼藉ものの首を埋めたのがその由来とか。
15/10/06 07:52:34
 交通量の多い国道と合流してしまうとさして見るべきものはなく、ひたすら進む。比衣の一里塚からはしばらく旧道で少しホッとする。
15/10/06 08:16:52
 中山道50番目の宿場である伏見宿に到着。ここにはあまり風情のあるものは残っておらず、写真は本陣跡の碑をとっただけ
15/10/06 08:37:08
 伏見宿の先にあるセブンイレブンに妻が先回りしており、一緒に朝食をとる。普段なら10分ほどの休みを取るだけの朝食タイムだが、2人だとやはり少し長めになってしまう。
 大田橋で木曽川を渡る。中山道の三大難所のひとつといわれていた今渡(いまわたり)の渡しのあった場所である。渡しのあった水面とは逆側にのみ歩道橋があり、渡しの水路を橋の上からじっくり見れなかったのは少し残念。
15/10/06 10:06:04
 橋を渡り終えて渡しの出ていた中山道部分に戻るのには本来かなり大回りをせねばならないが、車道を横断し、ガードレールを越えていけばそのまま河原に降りることができ、今渡の渡しの太田側である大田の渡し跡に行くことができた。
15/10/06 10:11:42
 堤防の上で車の妻と待ち合わせ。軽い休憩のつもりだったが、車の荷室でうとうとし、1時間近く休んでしまった。、ほとんど夜寝ていなかったので仕方ないところだ。
15/10/06 11:00:34
 木曽川の堤防から10分ほどで太田宿に到着。ここは古い家屋がたくさん残っており、見応えのある宿である。
15/10/06 11:14:24
 中でも旧脇本陣は国指定の重要文化財となっている。
15/10/06 11:17:06
 坂祝(さかほぎ)町に入ってすぐに再び国道21号に合流する。町役場を過ぎたあたりから木曽川に近づいてきて、国道に並行して走る堤防沿いに道が見えてきた。景色が良さそうなので上がろうかなと思いつつ、道を横断するタイミングがつかめないまま進んでしまった。山が張り出し、川が湾曲する部分で、旧道は国道から離れいきなり山道となる。山道からは木曽川の景色が最高。この辺りは日本ラインと呼ばれる名勝なのだ。
15/10/06 12:28:42
 一旦川沿いに下り、道は国道に合流するがしばらく行くとまた山道となる。ここではJR線に踏切はなく、下水横に作られた歩道で線路を越える。
15/10/06 12:48:26
 線路を越えるとすぐに登山道のような道が続く。途中整備された公園があり、一休み。
15/10/06 13:00:36
 登りの間はずっと鬱蒼とした木々の間を歩く道だったが、峠を越えると新しく開発された新興住宅街にいきなり出てしまった。坂を下りきったところが鵜沼宿の入り口である見付。少し遅くなってしまったが、やっと街に出たのでここで昼食。一人の時は時間の節約の意味もあってコンビニやファーストフードに入ることが多いが、今日は寿司屋へ。居心地が良く、1時間以上休んでしまう。
 太田宿ほどではないが鵜沼宿にも古い建物が残っており、趣きがある。ただし、明治24年の濃尾地震での被害が大きく、それ以前の建物は少なく、基本的には明治の雰囲気か。下の写真は旧武藤家住宅、江戸時代には旅籠を営んでいた武藤家だが、ここも濃尾地震で家屋は倒壊し、その後建て替えられたもの。「中山道鵜沼宿町屋館」として公開されている。
15/10/06 14:59:46
 太田宿で唯一残る江戸時代の建物が次の梅田吉道家住宅。
15/10/06 15:03:10
 鵜沼宿から次の加納宿(今の岐阜市)までは約17キロ、中山道の宿場では和田下諏訪間に次いで間隔が長い。今日の予定は加納宿までであるが時間的にはかなり苦しくなってきている。足も痛み出したし、無理かもと思いだすも、途中に切りの良い場所がないので、進むしかない。途中にめぼしいものもないのでひたすら歩く。各務原で休んでいる時に日没となる。今日はもう止めようかと迷ったが、ここまで交通量が多い道ばかりで、見るものもなかったので、さらに進む。新加納の辺りからは裏道っぽくなり、交通量は少なく、街の様子に趣きが出てきた。こうなると暗い中を歩くのは嫌になってくる。そうこうしているうちに、妻からもう明日にすれば?との電話が入る。頑張る気力は萎え、すぐにでも止めたくなったが、裏道っぽいところでは車と待ち合わせる場所が難しい。地図を検討し、少し先の細畑駅を待ち合わせ場所=本日の最終目的地とした。気力が萎えてからの数キロはきつかった。分かり難くてもすぐ近くの駅にすれば良かったと思いつつ、なんとか細畑駅までたどり着いた。
本日の距離 35km
中山道の合計距離 406 + 35 = 441km