Day7 下諏訪駅-塩尻峠-塩尻宿-塩尻駅 15km
最低でも春まで歩くつもりはなかったのに、青春18切符が余っていたので、雪の峠を越えられるのかどうかも分からぬままに、下諏訪駅に向かった。天気予報は晴れだが、最低気温の予報はマイナス9度である。いつものように始発電車で出かけても、下諏訪駅に到着は10時前となる。やはり寒い。温泉地らしく、駅前に温泉を流しており、そこだけは暖か。
気温はまだマイナスなのか、路上の氷は日なたでも溶ける気配なく、歩きにくい。とはいえ街中は除雪しているので氷があるところさえ気を付ければ歩くことに支障はない。一応中山道の続きを歩き始めるが、雪が積もっていることが確実な塩尻峠に行くのか、諏訪散歩だけで、温泉に入り帰るのか、決心はついていない。諏訪大社参道の鳥居が見えた時、鳥居に引かれるように大社側に曲がってしまった。これで今日は観光で終わりかとこの時は思った。
鳥居の先にスーパーがあり、朝から何も食べていなかったので、弁当を買って食事。10時を過ぎ、太陽の角度が上がってくると気温がぐんぐん上がっていくのが分かる。風もなく、日を浴びている限り寒さは感じななくなる。こうなると快晴なのに雪の原を見ないで終わるのは惜しくなり、再び中山道に戻る。東掘りの一里塚跡までは散歩の様な気楽な街歩き。下諏訪駅からかなり進んだので、峠手前で無為に戻るのは嫌だなぁという思いが強まってくる。
塩尻峠の登りが始まる手前に、今井番所跡がある。江戸から残る建物の屋根には雪が積もっている。この辺りから除雪が完全でなく、道のところどころに雪が残り、それが凍っているので歩く速度はどうしても落ちてくる。
除雪は石船観音の入り口まで。そこから先は冬季車両通行止め、開通は4月1日となっている。いきなりの雪道だ。表面は凍っているので、滑るが何とか進める。雪が溶ける気温だと道がぐちゃぐちゃになるので、防水さえない今日の靴では進めないところだったので、寒さは良い方に解釈することにする。
急傾斜では滑って後退するような時もあったのに、約20分で峠が見えた。雪道の登りは少なく助かった。
峠にある展望台からの景色は有名なので楽しみにしていたが、冬季で入れなくなっていた。
諏訪湖側は展望台に登らなくてもよい景色! 残念ながら北アルプス側は木々に阻まれ、下からでは良く見えず。
下りも当然雪の道。下りも滑るので歩き難く、時間がかかる。
峠から800メートル進んだ地点に東山一里塚が雪に埋もれていた。800メートルに16分、下りもやはり普段の倍近い時間がかかっている。
一里塚を過ぎてすぐに除雪した道となり、一安心した。国道のきわまで来てもう雪道はないと思ったのに、再び旧街道は脇道に入り、冬季通行止めの道へと進んでいる。勾配はきつくない道なのに、一度気がゆるんでいたせいか、この道で2度もこけてしまった。
ようやく雪道を抜け、しばらく進むと高速道路を越える橋がある。下を見るとみどり湖パーキングエリアにバスが止っている。雪のない前回にここまで来ていれば雪道を歩く必要もなかったが、仕方なし。無事に雪道を抜けただけで良しとする。
ぐんぐん下った後、塩尻宿に到着する。この辺りは国道20号線が旧街道なので、交通量が多く、新しい建物が多いが、古い建物もポツポツ残る。写真は江戸時代「いてうや(銀杏屋)」の屋号で旅籠屋を営んでいたという小野家住宅。
宿場を抜けたすぐにあるのが、十八世紀後半の本棟造りの立派な建物である堀内家住宅。正面屋根に乗る「雀(すずめ)踊り」といわれる棟飾りが目立つ。この辺りには多いそうで、ここまでにも何軒かが目についた。
もともとの予定では次の洗馬宿まで歩くはずだったが、雪のために予定よりも少し時間が遅くなっている。塩尻駅は街道から離れているので洗馬まで行きたくもあったが、交通の便は塩尻の方がずっと良い。迷ったが本日は早めに帰宅することにし、本日の徒歩旅は塩尻駅で終了する。距離15キロ弱は非常に短いが、雪道だったので心地よい疲れがあり、久しぶりの歩きに満足はした。
本日の距離 15km
中山道の合計距離 234 + 15 = 249km
本日の出費 交通2370円 + 飲食751円 = 3121円