徒歩旅

Day4 福井-舟寄-金津-大聖寺 39㎞

**地図**
 6時20分に歩き始める。福井城経由で行くか、街道筋を歩くか迷ったが、街道沿いをそのまま歩く。中心部にはさほど見るべきものもなく、これなら城を見に行けば良かったと思ったが、もう仕方ない。30分ほど歩き、松本荒町一里塚跡に着く。加賀口御門の外にあたるということなので、ここで城下町福井はここまでだったのだ。もちろん今は市街地が拡大し、まだまだ街が続いている。
20/10/16 06:51:48
 九頭竜川の南は舟橋という地名だ。柴田勝家が1578年に48艘の船を繋ぎ合わせた船の橋を架けたことから、この名がつけられた。ここの舟橋は、富山の神通川舟橋、盛岡の南部舟橋と並んで「天下の三大舟橋」と讃えられらそうだ。現在の橋は1951年に架けられたもので九頭竜橋と呼ばれている。
20/10/16 07:35:14
 橋を渡って少し行ったところに一里塚跡がある。元は南西100メートルの場所にあったものだというから、江戸時代の舟橋も今よりも少し下流にあったと思われる。
20/10/16 07:53:04
 九頭竜川から北の福井平野は、肥沃な土地で、昔から稲作が盛んだ。日本書紀にもこの辺りで稲作に取り組んだという記述がある。しかし、肥沃なのは九頭竜川が氾濫し、肥えた土を運んでくるからであり、水害との戦いは大変だったようだ。色々な伝説が残り、その案内文が街道にあちこちにで見ることができる。多くの場所では旧道が残っているが、一部はやはりなくなっている。地図で調べた旧道を進んでいくと田んぼで行く手を阻まれて、難儀もした。今は稲刈りも終わり、地面も乾いているので進めたが、田に水がある時期は、道のない場所は避けたほうが良さそうだ。
20/10/16 09:27:42
 越前国最後の宿場が、金津宿だ。この宿場がもととなった金津町は、芦原温泉で知られる芦原町と合併し、現在はあわら市となっている。宿場だった辺りは、鉄道からも国道からも離れており、今は寂れている。
20/10/16 12:37:20
 金津宿の出口にある案内板に『当時、加賀橘宿から金津宿まで約3里(12キロ)の道は、深い松山続きの難路であった。加越境「のこぎり坂」を越えて、京・大阪へ向かう上りの旅人も、越中・越後に下る旅人も、「坂の下」に来てようやく無事を喜び、行先の安全を祈ったことであろう。』とある。ここからは地図にない道が続くので、少し不安になる。しかし、最初の登りは思ったよりも短く、その先もなだらかな道が続く。千束一里塚は大木が残り、往時の姿をしのばせてくれる。
20/10/16 13:12:42
 細呂木関所は福井藩祖結城秀康が、慶長6年(1601年)越前入国の際の北陸道の関門として設けたもの。
20/10/16 14:50:48
 関所を越えると難所であったのこぎり坂の登り道。そして車道はなくなり、尾根に続く山道を進む。木立の隙間から谷底にゴルフ場が見える。この道はきのこも色々生えている。
20/10/16 15:23:06
 国境を示す名号塔。越前国が終わり、ここから加賀国だ。
20/10/16 15:30:58
 坂を下ると車道に合流。ゴルフ場入口に続く道だ。ゴルフ場の入り口を通り過ぎると再び山道に入る。そして山の中に橘宿跡の石碑。金津の案内板で橘宿からは平地だと思っていたのに、なぜか橘宿跡は山の中。
20/10/16 16:01:06
 橘宿跡の先でやっと視界が広がり、現在の橘集落がある。そうしてようやく平地に出た。
20/10/16 16:17:18
 あとは平地を進むのだと思っていたら、すぐにまた山道になってしまう。
20/10/16 16:40:34
 北陸自動車道上の橋を渡る。
20/10/16 16:48:22
 橋を渡り終えたところの柵が施錠されており、がっくり。獣害を避けるための入り口だと思って開けようとするが、ロックされているようで開かない。なんの看板もなく、立入禁止なのかどうかもわからないし、禁止だとしてどちら側が禁止なのかもわからない。抜けられそうな隙間はなく、結局よじ登って柵を超えた。
20/10/16 16:49:38
 そこからの道も山道だ。禁止区域なのかどうかも判別できず、緊張しながら先に進む。
20/10/16 16:56:24
 山道を抜けると畑があり、工場の敷地内に道は続いていた。そこを降りて、やっと住宅地に到着する。予想外の山道続きで時間がかかり、もう17時を回っている。一里塚跡があったので、休んで作戦を練る。
20/10/16 17:08:46
 ホテルをとってある大聖寺はもうすぐそこだ。しかし、昨夜調べたところでは、GoToクーポンを使える良い店がない。GoToクーポンには紙クーポンと電子クーポンの2種類あり、予約サイトによってもらえる種類が違う。昨夜もらったクーポンは電子クーポンである。困った時のコンビニだが、コンビニが電子クーポンに対応していないので今日は使えないのだ。この時間から大聖寺で使えそうな店は、酒屋か飲み屋しかない。加賀温泉駅まで3キロ先で、そこまで歩けば食事できる店が2件ある。仕方ないので今日は加賀温泉までと考えていたのだ。しかし、予想外に時間がかかっているのでもう暗くなる。足も痛いし、歩きたくなくなっている。飲み屋で我慢しようとクーポン使用可能店マップを確認すると、なんと昨日は無かった店が登録されている。良さそうな食堂だ。助かった! 元気になって、大聖寺宿の中に進んでゆく。古い建物が期待以上に多く、高札場跡もあった。
20/10/16 17:31:56
 すっかり暗くなってしまったが、伝統家屋の町並みは趣きがあって素晴らしい。
20/10/16 17:34:40
 街道筋を離れ、地図にあった場所に。食堂はすぐに見つかった。入口にあったGoToトラベルのマークを確認して入ったが、どうも店の雰囲気が先程ネットで調べた店とは違う。ふと窓の外を見るとネットで調べた店は隣だった。入ったのはリストになかった店である。店の人に電子クーポン使えるかどうか確認すると大丈夫というので、店は変えず。丼や麺の店のはずが、フレンチをかかげる洋食店になってしまった。看板メニューの「加賀のかがやき」を注文する。地物の能登牛・能登豚の合挽きミンチに木綿豆腐・野菜を使った豆腐ハンバーグがメイン。美味しかった!
20/10/16 18:00:44
 GoToトラベルのクーポンの客は初めてということで、厨房からコックが出てきて、一緒に説明書を見ながら、電子クーポンでの支払い(笑)。
本日の距離 39km
北陸道の合計距離 147km