徒歩旅

Day1 鳥居本-中山道分岐-米原-長浜-木之本 30㎞

**地図**
 新型コロナウイルスの影響でほぼ半年以上全く出かけずにいたら、完全に体がなまってしまった。このままではまずいと、徒歩旅を再開させることにする。今回は北陸道を滋賀県彦根市から北上する。冬は歩きたくないルートなので、今回一気に金沢まで歩き、その先は来年暖かくなってからの予定とする。
 中山道の分岐から北上すると2日めに、近江越前国境の山越えとなり、その40キロは宿どころか、商店もないという。その区間が固定されるので、初日はどうしても30キロ先の木之本宿まで進まねばならない。自宅を始発で出発しても出発地の鳥居本駅到着は13時半となる。そこから30キロ歩くと到着予想時間は21時で、さすがに遅すぎる。前夜に広島まで出、そこから始発なんて考えていたが、GoToトラベルに加え、彦根市が独自ですごいキャンペーンをやっているのを発見。予定よりも丸一日伸びてしまうが、前日の始発で出て、昨日午後は彦根観光をした。
 彦根から近江鉄道の始発で出発地に向かう計画だったが、宿の人が鳥居本駅まで車で送ってくれた。おかげで予定よりも早い6時25分に歩き始める。
20/10/13 06:25:50
 鳥居本宿は中山道を歩いた2015年に訪れている。趣のある宿場町だが、今回はさっさと素通りだ。宿場を抜けてしばらく歩くと磨針峠望湖堂碑がある。ここが中山道と北陸道の分岐である。ここからが初めて歩く道となる。
20/10/13 06:39:06
 小1時間歩いて米原宿に到着する。ここは米原駅での乗り換え時間を利用して歩いたことがある。その折に赤い塗料で珍しいなと思った記憶がある。これがベンガラ塗りで滋賀県北部に多いことを知ったのは、中山道を歩いた時だ。
20/10/13 07:18:00
 米原宿の中ほどに、北陸道中山道分岐点道標がある。右中山道と確かに書いてあるが、右の道は中山道の醒ヶ井宿に続く連絡通路であって、中山道の本道ではない。左北陸道とあり、弘化3年=1846年のと裏に記されている。滋賀県内で新しい道標は北陸道ではなく北国道とあるものがほとんどだが、いつ頃呼び方が変わったのか。今回歩く道は、北陸道という以外に北国道と呼ばれることが多い。北国道は、軽井沢近くの追分から善光寺を経て直江津に続く道の印象が私には強い。併記することも考えたが、今回は北陸道と書いていくことにする。
20/10/13 07:18:28
 米原宿を出て国道8号線に出ると、その先の旧道は線路に寸断されている。交通量が多いのに歩道もない国道を少し進んだあと、陸橋で東海道線や車両基地内の線路を何本もまたぎ、さらに東海道新幹線の下をくぐって、旧道跡の県道に戻る。県道をそれて、米原バイパスの高架をくぐると天野川にでる。江戸時代には飯村川と呼ばれており、橋はなく、歩いて川を渡った場所である。川を渡った先にあるコンビニでカップ麺の朝食をとる。
 さらに進んで、茅葺きの田村神社で一休み。
20/10/13 08:46:54
 県道を琵琶湖方面にそれて少し進んだところに道標がある。その解説文に地図があり、歩いてきた道が、明治の道であることを知る。江戸時代の道は田村神社の先を右に入らねばならなかったのだ。集落は江戸時代の道沿いに続いている。戻る気にはならなかったが、失敗した気分だ。
20/10/13 09:02:02
 この先で江戸時代の旧道は湖畔で川を渡っているが、現在は湖が少し後退しており、旧道をあるいていると湖畔に出る場所がない。ここは道を逸れ、琵琶湖湖畔に出てみた。
20/10/13 09:12:34
 すぐ近くには、長浜びわこ大仏で知られる良畴寺(りょうちゅうじ)がある。長浜びわこ大仏は、像高28mの阿弥陀如来立像で、青銅製。初代は1933年発願、1937年建立。現在の大仏は1994年に建立された2代目となっている。
20/10/13 09:31:56
 良畴寺を過ぎて、暫く進むと道は行き止まり、地下道でJR北陸本線を超えると長浜宿の入口となる。昔の風情を残す建物が並び、観光客の姿もちらほら見える。
20/10/13 09:55:28
 昔よくテレビなどで紹介されていたためか、長浜といえば黒壁のイメージを持っていた。しかし、街道沿いに黒壁の建物が続くのではなく、黒壁の建物を中心に整備された黒壁スクエアという場所が、観光スポットになっているのだった。色々観光客向けのテナントが入っている様子だが、先を急いでいるので、素通りする。
20/10/13 09:56:34
 長浜を抜けた先にあるスーパーで、買い物。GoToトラベルで、今日中に使わねばならない1000円クーポンを貰っているのだが、徒歩旅をするのに荷物になる土産の類は買えない。できれば元々出費が必要な食事に使いたいところだ。しかし、今日の街道沿いに食事で使える店はなく、仕方なく使えるスーパーで弁当を買うことにしたのだ。昼食用に寿司と飲み物、そして明日の昼用にパンを購入。スーパーの前にあったベンチで早めの昼食を取る。
 高時川を渡った先の地名は馬渡(もうたり)という珍しい地名だ。1351年に増水で足止めされた足利尊氏が、この村人の助けにより、人馬ともに川を渡り終えた。感激した尊氏が、地名の変更を進言し、馬渡(うまわたり)となり、それが訛って馬渡となったという。馬渡は、琵琶湖にある竹生島(ちくぶしま)に渡る船着き場への分岐となっていた場所でもある。
20/10/13 12:14:58
 15時に本日の目的地木之本宿に到着する。ここも昔ながらの風情を残す宿場町だ。
20/10/13 15:07:44
 宿は宿場町の中ほどから少し駅側に入ったところにあるが、時間が早いので、宿場の端まで歩く。木之本牛馬市は、室町時代から昭和の初期まで毎年2回、街道の民家を宿として牛馬市が開かれていた。2006年の大河ドラマ「功名が辻」で有名になったエピソードで、山内一豊が妻の備えていた金子で馬を買い求めた場所が、この馬宿平四郎だそう。
20/10/13 15:16:44
 明日の行程がきついので、今日は早く着けば少しでも先に進み、バスで戻ることを考えていた。最終バスや明日朝のバス時間もチェックしてあるが、久しぶりに歩いたので、疲れが激しい。足もひどく痛いので、進むのは止めて、早めに宿に入る。
 明日以降は到着時間が遅くなる可能性を考え、宿の食事を頼んでいないが、今日は距離が短いこともあり、食事付きにしてある。ひと風呂浴びて、早い時間に夕食。久しぶりの旅館の夕食で、美味しくいただく。これもGoToトラベルのおかげだ。35%引きなら、宿の食事もコストパフォーマンスがすごく良い。
20/10/13 17:44:48
本日の距離 30km
北陸道の合計距離 30km